『福銀漢詩集』について

蔵書を整理していたところ、

    福岡銀行業務部編『福銀漢詩集』(福岡銀行業務部、昭和48年〔1973〕9月       12日発行、非売品)※文庫本よりやや大きめ。82+7p。目加田誠「序にかえて」遠城寺宗徳「明日への糧」福岡銀行業務部「あとがき」索引

という、薄冊の漢詩集がでてきた。簡単に紹介しておきたい。

〔解説〕本書の元は、福岡銀行によって『西日本新聞』の「題字下」広告として、昭和41年(1966)9月~昭和46年(1971)5月まで、毎月2・3回日曜朝刊に掲載されたもの。選者は、目加田誠氏である。限られたコラム欄という制約の中で、漢詩より1・2句を選んでいるところに妙味があるように見受ける。
 唐詩から92首、宋元明清詩から33首、漢魏六朝詩から5首、日本漢詩から26首、その他「現代人」「不明」などから4首、計160首を採録している。
 こうした漢詩広告に、意義を見出した当時の福岡銀行西日本新聞社の見識の高さだけでなく、そうしたものを育て育んできた福岡の文化的風土の一端に触れたような気がした。
                                                                                           (2020.5.20 向野正弘)