菜殻火(ながらび)系俳誌『光陰』について

  本年(2020)は直方市出身の俳人野見山朱鳥(のみやま あすか、1917-1970)没後50年とのこと。向野堅一記念館の前の道を挟んで向かい側、少し歩いた先にある直方谷尾美術館では、「太田穂摂書作展―俳人野見山朱鳥を書く―(箱根湯本ホテルコレクションより)5.19-6.28」を予定していたが折悪しくコロナ騒動で中止とのこと、残念に思いながら、蔵書を整理していたところ、菜殻火(ながらび)系俳誌『光陰』16冊を確認した。
 該誌は昭和27年[1952]1月20日に創刊。所蔵する最後の16号は、昭和18年[1953]9月15日刊行であり、わずか二ヶ年内外の活動期間の雑誌であったと思われる。そして、直方・筑豊の俳壇史を考える上で、貴重な史料と思われる。しかし筆者のささやかな調査では、福岡県内の公共図書館に架蔵されていないようである。そこで、基本的な目次を整理し、その上で、基本的な経緯と特徴を整理することとしている。
 併せて、一定数の句集などを所蔵しており、この際整理を行うことにした。直方・筑豊に展開した俳壇の活況にせまることができればと考えている。
                                                                                             (2020.5.21  向野正弘)